行田店のブログ
2021.05.17
K&Pエンジニアリング オイルフィルター
レースの報告の途中ですが面白いパーツが出てきたのでご紹介。
こちら86レーシング53号車のオイルフィルターであります
「なにこのフィルター」って感じだと思いますが新商品であります。
K&Pエンジニアリングさん から販売されている次世代オイルフィルターであります。
商品テストの依頼があったので沼尻がテスト装着したのでご報告であります
何が違うの?って所でありますが
・圧力損失1/7の低抵抗
皆さんはオイルクーラーを装着した事はありますか?サーキット走行をする方は必要不可欠な部品でありますが実はオイルクーラーを装着するとオイルを冷却できるメリットの半面、オイルをオイルクーラーまで回さないといけないためオイルポンプの負荷が体感レベルで大きくなってしまいます。つまりエンジンのパワーロスに繋がります。
53号車のNEWエンジンの慣らし中はオイルクーラーレスで走っていましたがサーキット慣らしのためオイルクーラーを装着するとパワーとトルクを感じていた3~4000回転の加速感がなくなってしまった経験があります。問答無用で加速するターボ車ではかなり感じずらい現象でありますがNAエンジンでは顕著に感じ取ることができます。
その圧力損失をオイルフィルターで低減できるのがこのフィルターであります。
今までの繊維フィルターではなくステンメッシュのようなフィルターであります。
ですが本当にフィルターとしての機能は大丈夫なの?ってところが不安に感じるかと思いますがこのフィルターはFAA/PMA EASA認定という規格つき
「航空機産業」の規格だそうです。つまり航空機業界が認めた品質という事になるであります
これは大丈夫でしょう
実は現地に行った人しか分からないでありますが86BRZレースのでも装着者多数であります。特にプロクラスの方々は多いであります。
品質は信頼がおけると思います。
実際体感できるの?
沼尻は体感できました。NAエンジンの車なら「回転の軽さ」を感じ取ることができると思います。レース行ったままのオイルでフィルターのみ交換したので比較にはなったと思います。ヒール&トーをした時に200回転くらい多く回るようになりました。レースではこの200回転が大きな意味を持つであります
圧力損失が少なくなることで
パワー・トルクの向上
燃費の向上(10%以上の向上例もあるそうです。)
が主に目的です。
・再使用可
外して洗浄してパッキンだけ替えれば半永久的に再使用可能であります。YMSで作業する場合、工賃は頂くことになると思いますがそれでも高級フィルター毎回買うよりお得であります。ちゃんと「ネオジウム磁石」装着ですからエンジンのコンディションも目で見てわかります。
・破裂圧力が1000PSIを超える削りだしアルミボディ
53号車に装着したのはブルーアルマイトカラーでありますがアルミ削りだしの一品物。耐圧性能が1000PSI・・・・デフィメーターの×100KPaに変換すると約70キロ(笑)
油圧が高いFA20でもピークで10キロぐらいでありますからスーパー安心であります鉄よりアルミのほうが熱伝導効率がいいので冷却にも一役買ってるであります。
こんな形でデメリットは見当たらないであります。
正式に販売が決まりましたら改めて報告いたしますが沼尻おススメの一品であります気になるかたは是非お問い合わせください。
対応車種は豊富なようであります
2021.05.16
86BRZレース 富士スピードウェイ①
参戦して参りました86BRZレースのご報告であります
今回は「走行会とレースってどう違うの?」「どんな事やってるの?」といった質問を多く頂きましたので長くなると思いますが何回かに分けて詳しく報告しようと思います。
まずは金土日と3日間「練習日」「予選日」「決勝日」にスケジュールが分かれております。
今回はマニアックな内容を豊富に入れるであります。
基本的に他のカテゴリーと併催で行われます。(スーパー耐久やワンメイクレースなど)AE86 N1レースは1日で全てこなすスケジュールでした。
86BRZレースは参加台数が多いため一日だと収まりません。
プロクラス・エキスパートクラス・オープンクラス合わせると116台
そんなわけでYMSレーシングチームの面子は変わらずエキスパートクラス54号車トッチー号、53号車沼尻号。オープンクラス175号車シティーオート号であります。
YMS陣営は金曜日の朝7時到着で準備開始であります。早いチームで10日前から、平均的には4日前から現地入りして泊まり込みでテストと調整を行っています。
だいたい各チーム2台体制が多いのでメカニックは10名から15名ほど。
ここで疑問10日もテストしてタイヤ・オイル・アライメントなんかはどうするの?とよく聞かれます。答えは簡単です。10日分全て持ってきます(笑)
レーシングカー1台に対して2トンから4トン車で必要物資を持ってきます。
現地でさらに必要な物資が出てきた場合はサーキットに直送であります。
オイル交換も当然現地でやります。1~2走行ごとにエンジン・ミッション・デフオイル交換してるチームが多いであります
ブレーキパッド・ローターも2走行ごとに交換。
なぜそんなに交換するの?
もちろん各ユニットが壊れない為でありますが一番の理由は・・・・「タイムに直接影響する」からであります。
デフオイルなんかは劣化が分かりやすいであります。
デフもセッティングが違うデフキャリアASSYを3~4機持ち込んで1ヒートごとに乗せ換えしてるチームももはや当たり前。
ミッションも86BRZは弱いので練習走行終わってからミッション交換するチームが多いであります。
ミッションも予備も含めて3機ぐらい準備してるっぽい
アライメントは調整するの?
アライメントテスターを持っていきます。電源とかがいらないテスター機が人気みたいであります。
シビアな話、ガソリンの量で車高がかわるのでアライメントは変わります。それにアライメントは旋回スピードに大きくかかわるので確認も含めて調整します。
さらに富士やもてぎなど大きなサーキットのゼブラ(赤・白の踏みたくなる所)は段差になっており踏み方によってはアライメントがずれる事もあります。
ハンドルのセンターが狂うほどではないです。
これらの作業をメカニックは馬・ジャッキで全て走行枠の合間にこなさなければなりません。準備してきた各ユニットにもトラブルがあっては話になりません。短い時で1時間、長い合間で3時間。当然ミスすれば1枠のテストを棒に振るだけでなくレースに参加できない可能性も出てくるのでメカニックのプレッシャーははんぱないであります。
そのためメカニックの皆さんは常に全力疾走なので信じられないほど作業が速いです。ミッション交換なんて1時間ほど。
なぜそんなに新品を使うの?
サーキット走行を長くされてる方は分かると思いますが例えば新品タイヤに中古ブレーキパッドを使うパッケージと新品タイヤに新品ブレーキパッドだと制動距離が変わります。ということはタイムが変わってしまうんです。
全ての部品に同じことが言えます。
つまりデータが狂うんです。
「消耗品全て新品」が大前提なんです。
足のセット一つ変えればまた新品部品がないとデータにならない。
なのでレースはお金がかかります
これも全て予選の1周でベストを出すためなんです。このベストなセッティングで全て新品部品で1周する感覚をドライバーは染み込ませなければなりません。
この内容は「レギュレーションの中で最高の状態を作るため」にやっている事です。
車側で走行会と違う事の多くがこんな部分にあります。
最後に大事な事ですが上記の事を全てやって「ライバルと同じ土俵」に値します。
上記の内容が何らかの都合で出来ないのなら頭フル回転でアドバンテージをひねり出すしかないであります
次回②に続く
以上、ガノトトス沼尻でした
2021.05.02
ER34 クーリングファン交換
ゴールデンウイーク開けは86BRZレース 富士スピードウェイ
トッチーのブログにもありましたが別の日に沼尻もテストに行ってきたであります
トッチーより沼尻のほうが年齢的に体力があるのでタイヤ交換よりも過酷なスプリングのプリロード変更のテストを実施。
2本の走行枠があったので1本目に実はYMS走行会日光でテストしたセットでアタック。
想定どうりの動きに変化したが少しやり過ぎ(笑)
データロガーで見るとセクター3のタイムが0.2秒速い。
でもセクター1から2までは0.2秒遅い
今度はモテギセットに戻してみよう
今度はフロントの入りは良くなったがリアが落ち着かない。
データロガーで見るとセクターのタイムアップ・ダウンが逆になって±0のデータに(笑)
びっくりするほど難しいデータになってしまったので激しく悩み中であります
何をどう変えたかはトッチー以外には企業秘密なので言えませんが激変でありました。
ちなみ制動距離も車半分くらいの変化が出るであります
セッティングはまだ決まってないが上限と下限が分かったので練習日にその間を探るであります
今度こそシングルナンバー目指して頑張ってくるであります
そんなわけで本日のランペイジな作業のご紹介は
ER34 RB25のクーリングファンの交換であります
昔から定番トラブルのファンにクラックが入るという現象であります
高音状態でブンブン回されてる訳ですから寿命はあります。
しかも軽量に設計しなければいけない訳でありますからこれはしょうがないであります。
ファンが粉砕するとラジエーターにも影響があるわけでありますから定期点検は必要であります
以上、ドウェイン沼尻でした