行田店のブログ
2021.06.14
エース笠原のN1レース奮闘記第一戦②
続きまして決勝編であります
決勝レースの前に沼尻は一仕事。
予選で原因不明のブレーキ抜けトラブルに見舞われた76号車 篠崎選手のマシンを修理せねば
可能性は低いでありますがブレーキのエア抜きをしてみることに。
エアは出てこない。しかし左前のブレーキブリーダープラグ(エア抜きするニップル)を緩めた時に「ガコッ」・・・・?
ブレーキローター動いた?・・・・・・あハブベアリング終わってる
原因が分かりました。AE86はハブにブレーキローターをボルト止めで取り付けます。ナックルは車高調と一体型。つまりハブベアリングが粉砕してハブがフリーで動くようになるとブレーキローターがブレーキパッドを押し戻してキャリパーのピストンを戻してしまうという現象が起きます。当然パッドとローターの隙間が多ければ油圧はかからないであります。
絶対に使う事がないと思っていたハブASSYの予備を装着して事なきをえました
ナックル側まで損傷していたらリタイアでありました。
そんなわけで一仕事してる間に決勝の時間
残りの2台をブレーキのエア抜きと最終チェック・タイヤエアを調整していざ決勝
今回はP-FRとAE86混走のためスタンディングスタートであります。
我らがエース笠原はスタート前からそわそわしてるでありますそうです我らがエースはスタンディングスタートが大の苦手(笑)
ちなみに沼尻も得意ではありません。
敵・味方関係なく「スタートってどうやればいいの」と、聞いて回ってる。(笑)何年レースやってるでありますか(笑)そんなお茶目な所が笠原さんの愛されるポイント。
細かい事をアドバイスするとまた混乱するので「街乗りの信号待ちから発進する程度でいいです」と伝えときましたー
今回エース笠原が「ポールトゥウィン」すると約束してくれたので沼尻の私物のオンボードカメラを後ろ向きに装着してみました。好評でしたら次回も後ろ向き(笑)
それではフォーメーションラップをこなしてよーいドン
・・・・あ
・・・・・・あ
6号車 レジェンド荒木選手に1コーナーまでにインを刺されてるしかも右後ろにいた白い86号車 小さな巨人 下平選手はすでにエース笠原の前に出てる
またやられた
下平選手にはもう抜かれてるが荒木選手は抜かせずに抑えられるか?
コーナークリップ通過時にはほぼ真横
しかもアウト側からは56号車廣田選手が狙ってる
エース笠原大ピンチ(笑)
立ち上がりでなんとか抑えただがしかし
アウト側から立ち上がり重視のライン取りを取っていた廣田選手がアウト側からレジェンド荒木をパス。レースの難しい所は必ずしもイン側が有利とは限りませんがアウト側からのオーバーテイクは非常に難易度が高いであります。これは廣田選手がアウト側にエース笠原がいる分、6号車レジェンド荒木がアウト側のスペースが取れない=立ち上がり加速は56号車廣田選手が有利。と、1コーナーに差し掛かった時点で判断していた計画的な犯行
お手本のようなオーバーテイクになってしまったであります。(笑)
1ヘアを立ち上がった時点で1列に整列。
ここからエース笠原は1番手を走る86号車 下平選手を抜かなければなりません。
レースラップはエース笠原のほうが速いはず・・・・問題は「抜けるか抜けないか」。もっと細かい事言うと86号車下平選手に「ブロックしなきゃヤバい」と、思わせられるかどうか。レースは心理戦です。
実は筑波でのオーバーテイクは1列に整列してるとすごく難しい。これは筑波でレースした事ある人じゃないと分からないであります。
外から見てるとテールトゥノーズでくっついてるもののバックストレートで86号車下平選手のほうが約1台分の差がつくくらいストレートが伸びてる。
つまり今のままだと最終コーナーで勝負が出来ないという図式。
とゆうことは2ヘアで前を走る86号車下平選手を必要以上に減速させられるかが大きなポイント。
こう着状態のまま4周が終了。
5周目でダンロップコーナー手前で78号車エース笠原号の排気音に変化が・・・
「1発死んでる」沼尻は1ヘアで見てたのですぐ気付いたであります。当然エース笠原は気付いているのでそのままピットイン。
残念ながら4番のヘッドガスケット抜けでリタイアであります。56号車 廣田選手もエンジンが不調っぽい。
6号車荒木選手からだいぶ離れてのフィニッシュとなりました。
優勝 86号車 小さな巨人 下平選手
2番手 6号車 レジェンド 荒木選手
3番手 56号車 焼き鳥帝王 廣田選手
4番手 76号車 優良運送屋さん 篠崎選手
5番手 26号車 減量成功後、若干のリバウンド 新関選手
となりました。おめでとうございます
残念ながらエース笠原のポールトゥウィンはまたお預け
次回は8月にツインリンクもてぎでの開催予定であります
めげずにがんばろう
以上、カバネリ沼尻でした
2021.06.08
エース笠原のN1レース奮闘記第一戦①
今年のAE86 N1レースは筑波が3戦、もてぎが1戦の合計4戦の予定であります。
開幕戦はお馴染み筑波サーキットであります
今シーズンも顔ぶれは変化なし・・・・・と思いきや56号車焼き鳥帝王 廣田選手が復活
「他にやる事ないから出てきたー」との事でカムバックであります
仕様変更は全くなしでもう戦う事が厳しい「フリーダムコンピューター」を使用。腕でなんとかしてください。
タイヤはMコンパウンド。
86号車 小さな巨人 下平選手は「リンクコンピューター」を使用。最近のフルコンや純正改のコンピューターを持ってるもの全て試した結果、リンクコンピューターを採用。
タイヤは悩んだ末、Mコンパウンドを使用。
6号車 レジェンド 荒木選手も長年熟成させた「フリーダムコンピューター」を使用。最近、全く理由は分からないでありますが常に準優勝の安定感を見せます。
タイヤはGSコンパウンド。
76号車 優良運送屋さん 篠崎選手・26号車 減量成功後若干のリバウンド 新関選手も仕様変更なしの練習なしで参戦であります(笑)
タイヤはGSコンパウンドを使用。
我らが78号車 エース笠原は「アダプトロニックコンピューター」を使用。リアのバネレート変更、前後ブレーキパッドを変更によるブレーキバランスの変更。
しかも珍しくテスト済み(笑)タイヤはGSコンパウンドを使用。
朝に車検と装備品のチェックを行います。
ライト類・室内(シートベルト・シート・消火器・キルスイッチ)・下回り・エンジンルーム・重量測定(830キロまで)。
ちなみにオイル漏れはかなり厳しくチェックが入ります。
ドライバーはドラミ。沼尻はチームの3台分の最終チェックと路面状況の確認であります。
路面温度や直前走行のカテゴリー。オイル処理があったか、なかったのか。
毎回書いてますが沼尻はかなりシビアに管理します。逆にエース笠原は「走っちゃえば一緒」スタイルなのでタイヤエアはいつも沼尻が勝手に調整します。(笑)
今回はGSコンパウンドを使用、なおかつ路面温度が高いので2周アタックの予定であります。
そんなわけでP-FRとAE86合わせて9台での15分間の予選が開始。
ここで大事なのがほかのカテゴリーや車と絡まずにクリアを取る事。1周4~5キロあるもてぎや富士と違い1周2キロの筑波は意外とこれが難しい。
後ろが来てるからと譲ってばかりいるといつまでたっても自分のスペースが出来ない。後ろを引き離す自信があるなら「前の車と感覚を空けて後ろの車とビタビタでアタック開始」なんてスペースの取り方もあるであります。筑波の場合、最低でもバックストレートに到達した時には自分のスペースを確立していないとアタックは難しいであります。
ホームストレートのピットロードで待機していればアタック始めたか見送ったかは分かります。
全車1周目からアタック開始ホームストレートに戻ってくる・・・・・・あ1台消えた
76号車篠崎選手がさっきいたポジションにいない1ラップでピットに入ってきた篠崎選手。
「ブレーキ抜けたどこか漏れてない」・・・・確認するも漏れていない。
???????????
とりあえず1周したからあきらめてピットに戻ろう。
そんな事している間に我らがエース笠原が1′07″294でポールポジション獲得(沼尻は全く見ておりませんでした)
2番手は相変わらず好調、86号車 下平選手1′07″877
3番手は6号車 荒木選手 1′08″210
4番手56号車 廣田選手 1′08″215
5番手26号車 新関選手 1′10″969
6番手76号車 篠崎選手 1′51″056
決勝は午後の一番熱い時タイヤのエアは調整が必要でしょう。
予選はガソリンも数リッターのギリギリで走ります。決勝の燃費も考えて補給します。
見ているだけだと分からないでありますがドライバーもメカニックもレースは考える事だらけほとんど「賭け」に近い作戦をとる事もあります。
エース笠原の夢のポールトゥウィンなるか
その前に76号車篠崎選手のブレーキ抜けトラブルを決勝までに解決せねば
とりあえず喜んでるエース笠原は放置プレイで修理を急ぐであります(笑)
続く
2021.06.06
86BRZレース 富士スピードウェイ④
決勝編であります
29台中26位の54号車トッチー号
29台中25位の53号車沼尻号
隣に立っているのは某大企業の代表取締役社長です。トッチーの顔の広さはハンパない。
相変わらず先頭が遠いでありますが頑張ろう
決勝レース日の解説であります
朝6時に前日の車両保管解除になりますのでまず車両を回収。
ブレーキのエア抜き。前日に拾って帰ってきた「タイヤカス」をタイヤから極力剥がします。
決勝の1ラップ目からMAXでグリップさせるためにこういった地道な努力が必要であります。
出走前点検をオフィシャルが行い、いざコースイン。
レースはインラップからやる事いっぱいであります。
まず、メカニックは自分のチームの車両のグリッドまで全力ダッシュ(笑)ドライバーが迷子にならないようグリッドに待機であります。
ドライバーは路面状況の確認。
具体的になにやってるかというと、タイヤ・ブレーキの暖気。これはやり過ぎると逆効果なのでタイヤの選択次第でモーレツに暖気する人と少しでやめる人が分かれるであります。
路面状況はどうなのか。当日の路面温度でベストラインは喰うのか喰わないのか。ベストラインを外した場合はタイヤカスが残っていてヤバいのか問題ないのか。
ウェットだったらどのラインが雨量が少ないのか・・・・
計測機やオンボードカメラは動いているか・・・などなど。
セーフティカーの先導でようやくグリッドに到着。
ここでメカニックにグリッドに止めてもらうでありますが箱車だとドライバーからはグリッドの線は見えないであります。
でも1cmでも前からスタートしなくてはなりません。でもはみ出したらペナルティ
沼尻は師匠M氏から教わった裏技でグリッド位置を把握してるでありますが・・・基本はカンであります。
メカニックはインラップのフィーリングを確認して車が来る前に測定していた路面温度と過去のデータをすぐに比較してエア圧調整。
タイヤの締め付けトルクも再度確認してメカニックのお仕事終了。
ここからはドライバーの勝負フォーメーションラップ開始。
ここで確認するのが・・・・止まれるのか。最初の1コーナーで場所取り合戦とブレーキング勝負は必ずおこるのでキチンと車が止まれてアンダー傾向かオーバー傾向かを確認します。でも把握しててもぶつかるのが避けられない場合ももちろんあります。
グリッドに戻ってブラックアウトスタート
スタート直後に沼尻が違和感を感じます。・・・・クラッチ滑ってる沼尻のスタート方法はサイドブレーキかけて半クラ待ちを使っています。
5千回転からあからさまに滑ってるN1からN0までのレース経験で初めての症状。アクセル戻すわけにもいかないので強制的に2速にシフトアップ。
回転は上がってたけど車が十分加速してないのでシフトアップしてから4千回転くらいまでドロップ滑りは無くなったものの右に見覚えある黄色い車が・・・
しかもこっち見てる(笑)
1コーナーまではなぜかYMS同士のバトル勃発
1コーナーでなぜかトッチーを抑えるライン取りになってしまいましたがひとまず前の集団に追いつく事に成功。
が・・・・・沼尻のペースが上がらない。過去を振り返ると決勝で必ず周りの車より1つくらいはアドバンテージがあって勝負をかけられたはずなのに今回は立ち上がりもブレーキも周りより劣っている。
必死で後ろを抑える走りにチェンジせざるをえないであります。
バトルすればペースは落ちるのでそのさらに後ろも意識してラインを考える必要があります。
我慢くらべのファイナルラップの最終コーナー・・・・・・右側から「ぼっこん」と嫌な音が
右前がゼブラに乗ってるのにその更に内側に特攻アタック仕掛けてきた車にプッシングされた
ターンインの真っ最中だったのでたまらずハーフスピン
ロスはあったものの順位変わらずフィニッシュしました。(プッシングしたドライバーはペナルティとなりました)
トッチーはどこにいったあれ?沼尻より先に車両保管場所に帰ってる。
出ましたABSトラブルでありますアクセル全開状態でスライドしながらゼブラを飛ぶとABSが誤作動を起こしほぼリアブレーキのみのブレーキバランスに早変わりという現象があります。残念ながらトッチーはリタイアであります
53号車沼尻は22位フィニッシュとなりました。
やっぱりレースは難しい
今回も栃本社長を初めYMSレーシングチームの皆様、YMSスタッフの皆様、応援して頂いた全ての皆様に感謝致します。また振り出しといった結果になってしまいましたが次回、11月の最終戦の富士で86BRZレースは最後となってしまいます。悔いが残らないよう全力で参戦しますのでまた皆様の応援とご協力をよろしくお願いします。
YMS行田店 沼尻翼
次回のブログは「エース笠原のN1レース奮闘記2021」でありますお楽しみに